どうも、しがないサラリーマンのよしくんです。
今回はファヒム パリが見た奇跡について書いていこうと思います。
今作はフランスに亡命した親子の物語。
最近よくお世話になっているテアトル梅田にて鑑賞してきました。
今まで公開規模の大きい作品しか観てこなかったんですが、30歳を過ぎたころから小さい劇場でしか公開されていない作品に興味を持つようになってきました。
今作も予想通りいい作品だったので早速書いていきたいと思います。
ファヒム パリが見た奇跡はどんな映画?
ファヒム パリが見た奇跡のあらすじについて紹介します。
政変が続くバングラデシュ・ダッカ。親族が反政府組織に属していたことに加え、ファヒムがチェスの大会で勝利を重ねていたことへの妬みが原因で、一家は脅迫を受けるようになっていた。身の危険を感じた父親は、わずか8歳のファヒムを連れてフランス・パリへと脱出した。
難民センターに身を寄せた父子は、フランスでも有数のチェスのトップコーチであるシルヴァンと出会う。独特な指導をするシルヴァンにはじめは苦手意識を持つファヒムだったが、厳しくも愛情あふれた熱心な指導に、次第に心を開き、チェスのトーナメントを目指して信頼関係を築いていく。
しかし、一方で、難民申請を却下されたファヒムの父親は、身の置き所がなくなり姿を消してしまう・・・。迫りくる強制送還までのタイムリミット。その脅威から逃れる解決策はただ一つ。ファヒムがチェスのフランス王者になることだった――。
祖国のバングラディッシュから亡命し、パリに移り住むファヒムを演じるのは実際にバングラディッシュからフランスに移住した経験をしているアサド・アーメットが演じています。
なるほど、だからベンガル語もフランス語もペラペラなのか。
彼は今作がデビュー作なので今後の活躍が期待されます。
そしてファヒムのチェスの師匠シルヴァン役を、名優ジェラール・ドパルデューが演じています。
彼のことはこの作品まで知らなかったんですが、出演した映画で数々の賞を受賞しているのに加えて私生活も結構派手にやってたみたいですね(笑)。
しかし少し太りすぎじゃないですかね。
体調が心配です(余計なお世話)。
そしてもう一人。
ファヒムが通うチェスクラブの事務マチルド役を演じているイザベル・ナンティ。
懐の深いおばあちゃん役を演じてくれます。
アメリにも出演していたそう(僕はアメリを観ていないんですが・・・)。
アメリの詳細について知りたい人はこちらを参照ください。
映画『アメリ』のネタバレあらすじ結末と感想。動画フルを無料視聴できる配信は? | MIHOシネマ
ということで心温まる映画の感想を書いていきます。
序盤から違和感があって映画の世界に入るのに少し戸惑ったよ
あえてこの映画で戸惑ったところといえば映画の序盤。
ファヒムとその父親が祖国のバングラディッシュからフランスに亡命するシーンです。
どうも父親が反政府活動をしており当局から目をつけられたことと、ファヒムが地元のチェス大会で有名になったことか誘拐未遂などが起こりファヒムはそこに住める状態ではなくなっていました。
そこでまずは父親とファヒムが先に亡命して、家と仕事が決まったら母親や兄弟たちを呼ぶつもりでいました。
そして夜逃げ同然でファヒムと父は家を出発したのです。
そこでまずファヒムと父親が向かったのが隣の国インドです。
んん?
なんでインドなんだろう?
しかもインドに入るのには許可証が必要なのですがこの親子は許可証を持っていなく、国境の門番に賄賂を渡し、やっとのことでインドに入国することが出来ました。
そこまでしたなんでインドにいきたいの?
まさかバングラディッシュに空港とかないからインドに一回でないといけないのかな?
とか思って調べてたら普通にバングラディッシュにも空港がありました(笑)。
(まあ当然ですが)
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結局その疑問が解決されることがなく、またインドに入ってから空港まで行き次の場面ではパリ行きの飛行機に乗っていました。
( ,,`・ω・´)ンンン?
パスポートは?
どうやって航空券買ったの?
なんでパリなの?
しかもフランスなんて言葉分からんのじゃないの?
そんな疑問がぐるぐる僕の頭の中を渦巻いていましたが、結局映画の中で語られることはなく。
案の定、父親はフランスについてからもたいしてフランス語が上達せず、それのせいかどうかは分かりませんが職にもつけない有様です。
もしかしたらもうバングラディッシュ国内では、航空券が買えないほど政府に目を付けられていたのか?
それともフランスに行くためにはインドに行かなければいけない何か事情があったのか?
そしてなんで多少英語が通用するイギリスではなく、全く言葉が通じないフランスを選んだのか?
そこの説明がもう少し丁寧に描かれていたらなんの抵抗もなくこの映画に入り込めた気がします。
ファヒムの成功とそれを周りで支えた人たちの姿がこの映画の本筋
と前章ではこの映画で気になったことを書いてきましたが、フランスについてからの描写はすごく丁寧に描かれていました。
フランスに来てすぐに路上に座り込んでいるファヒムたちに通りがかりのマダムから物乞いと間違われ小銭を差し出されるのですが、自分たちは物乞いではないと小銭をちゃんと返す描写があります。
またエッフェル塔の近くでしょうもないキーホルダーを売っている客引きにもいらないとしっかり断りをいれており、自分たちの力で何とかこの異国の地でやっていこうというプライドみたいなものをしっかり持っていることがうかがえます。
しかしそんな彼らも(特に父親の方)なかなか移民申請が通らず、お金もどんどん無くなっていき疲労感と焦りがどんどん募っていきます。
結局、移民申請は却下され国外退去を命じられた父親はフランス語もろくにしゃべれずエッフェル塔の前でキーホルダーを観光客相手に売る仕事をする羽目になります。
一方、ファヒムはチェスクラブや学校に通いながらフランス語やチェスを学び順当にフランスになじんでいきます。
あるときレストランで食事をしていた際に、ファヒムはナイフとフォークを一生懸命使って料理を食べようとするのですが父親はバングラディッシュでそうしていたように右手を使って料理を食べる描写があります。
命がけでフランスに亡命してきたのに父親がなかなかフランスの社会になじめていないことがこのシーンからうかがえます。
そして、父親がエッフェル塔で客引きをやり始めると寝泊りしていた移民センターに帰ってこなくなりファヒムは友達の家を転々とします。
もちろん友達の家族はファヒムを快く迎えいれてくれるのですが、ファヒムにとってその行為はあくまで施しであり、その時は楽しくても決して本質的な問題の解決にはなっていないということをしっかり自覚しています。
そしてやはり自分には家族が一番といって一旦は父とホームレスの生活をする道を選びます。
ここら辺の、この親子の力だけではどうしようもない現状と徐々にファヒムたちの表情があきらめに変わっていく過程が非常に丁寧に描かれていてよかったです。
結局、周りの人の助けもあり家が無いながらも大好きなチェスの全国大会に参加し優勝することが出来ます。
そして、このチェスの大会で優勝したことでファヒムたち親子は、滞在許可証得ることが出来ます。
その優勝は決してファヒムたちだけではなし得ることは出来ませんでした。
この優勝は、周りの人の支えと善意があったからこそ勝ち得たものです。
その姿にはとても感動させられました。
ここまでの苦労が報われて良かったのですが、だからこそなぜここまで苦労してまでフランスに亡命したのかを明確に描いてほしかったです。
それさえ描かれていればもっと感動が倍増してましたね。
とまあ色々書いてきましたが、序盤さえそんなに気にしなければかなり心温まる映画になっています。
ということで今回はここまで!!
ではでは!!